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Duna

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いかにも昭和の風情といった硝子の耐熱皿に、
新鮮な豆腐を薄切りにして並べる。

それから南瓜を薄切りにして豆腐の上に並べる。
加熱するとほくっとする北海道南瓜は、
実が引き締まってとても硬いから、
包丁に気を付けなければらない。

チーズも塊をスライスする。これは惜しみなく。
それをトップに敷き詰めて、
オーブンでこんがり焼くだけだ。

チーズの塩けと油けだけで、
豆腐の滋味や南瓜の甘みを引き立てる。
数日前からちびりと飲んでいる赤葡萄酒の
程よいつまみとなった。

今、島国育ちの私が初めて出逢った大河を
思い出している。

それは、ドナウ。



# by raisinsand | 2017-12-28 19:43 | Comments(0)

gateau basque

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煮えたぎる湯を茶葉に注ぎ待つこと数分。

熱い茶碗からひとすすり、

舌が微かに痺れる感じがした。

渋い、と思ったが、

ほどなく話に聞いた通りの爽快感がやってきた。

同じ茶を、誰が淹れたかも知らずに飲み干すことは

出来なかっただろう。

人柄やその場の笑いに包まれた雰囲気が、

茶の刺激的な側面と相まって、

これまで味わったことのない個性的な茶の味を

発見させてくれた。

茶を数杯味わった後、ガトーバスクが出された。

黄金色に焼き上げられた菓子は、

フォークを入れると予想に反して繊細で、

アーモンドとバターの甘く豊かな香りに、

とろけそうになってしまった。

あの人も、茶の魔法使いのひとりだろう。

陽気でヘビーな茶の味が、

あれからしばしば恋しくなる。









# by raisinsand | 2017-12-22 10:55 | Comments(0)

when I walked along   

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歩道に沿って水仙が群生している。

白い花びらに囲まれたお椀型、

澄んだ黄色がこちらを見上げている。

お椀の中におしべが三つ。

それらが目と口みたいで、

皆、笑いかけてくる。

水仙は心底好きな花だ。

石蕗も咲いている。

裏表のない健康美。

葉は肉厚に照り輝いて、

花びらの黄にも迷いが見えない。

灯台躑躅は

相当寒風に吹かれたはずなのに、

焚き火の残り火の鮮やかさを

失わずにいた。




# by raisinsand | 2017-12-16 22:39 | Comments(0)

i'm dreaming

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夢を見た。

森の中にいる夢だった。

その森の樹たちはいずれも巨大で、

もう名前を思い出すことができない

古代から生き続けている樹や、

楢や楠のような樹々もあった。

さらにその先には

荘厳なバオバブが一本生えていた。

ラピスラズリを溶かしこんだような

深い青空にむかって

幾本もの枝を突きだすその樹は、

黒く銀色に光っていた。



# by raisinsand | 2017-12-14 16:03 | Comments(0)

embracing your life

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凍てつく朝、

たまらずに、記憶の引き出しを、開けた。

その引き出しには十二月の札がついている。

しまいこんで何年経っただろうか。

ステンドグラスから降り注ぐ柔らかな自然光、

ランプやろうそくのともしび。

独特の静寂に包まれた空間で、

ほのかなぬくもりを感じた、あの冬。



またあの大聖堂を、訪れてみたい。



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一つの温かな思考は、

私にとって金銭よりも価値がある。

  ― トーマス・ジェファーソン

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# by raisinsand | 2017-12-08 10:15 | Comments(0)

it's human nature

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木立の中を歩いていると、

落ち葉やどんぐりを拾ってしまう。

浜辺を歩けば、

貝殻を拾う。

ポケットに入れる。

ノートに挟み込む。

読書は、

落ち葉拾いや貝殻拾いに似ている。

読書を始めるときも、手ぶらがいい。

不意にこれという言葉に出逢う。

そのうちエピソードごと拾い上げる。

お気に入りは大切にとっておかなければならない。

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『チェロキー族の場合 ― 心の中の二匹のオオカミ』

ネイティブ・アメリカンの老人が、孫たちに人生について教えていた。

彼は孫たちにこう言った。

「私の中で喧嘩が起きることがある。

それは二匹のオオカミによるひどい喧嘩だ。

一匹のオオカミは恐怖や怒り、

嫉妬、悲しみ、後悔、欲望、傲慢、自己憐憫、

恨み、劣等感、嘘、愚かな自負心、優越感、

そしてエゴを象徴している。

もう一匹のオオカミは、喜びや平穏、

愛、希望、共有、安らぎ、謙虚さ、優しさ、

博愛、友情、共感、寛容さ、真実、慈悲、信念を象徴している。

この対決がお前たちの中でも、すべての人の中でくり広げられている。」

孫たちはしばらくこの話について考え、

老人に質問した。

「どっちが勝つの?」

チェロキー族の老人は数秒ほど沈黙し、

そして温かく答えた。

「お前がエサをやるほうだよ。」

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# by raisinsand | 2017-12-04 13:58 | Comments(2)