2018年 05月 02日
gift from the sea
譲りうけた本箱を改めて見回しながら、
前は気に留めることもなかった本が目に入りました。
『海からの贈りもの』アン・モロウ・リンドバーグ。
昨日はその本をバッグに入れ出かけました。
不動産屋での借り部屋の最終契約手続き、
郵便局への転送解除手続き(不在扱いで郵送物が送り返されていた!)、
そして区役所への転入届提出。
五月一日に区役所に行くというのは大きな間違いだったのでしょう。
区役所の混みようには辟易しました。半日は費やされた感じです。
本を読み、睡魔で気を失い、ふたたび読み、、、
各章の冒頭、短い文の一節に貝殻のイラストが添えられて、
そのゆったりとした行間に穏やかな海辺を感じました。
"あおい貝 Argonauta
・・・現在よりもっと成熟した人間の繋がり、ふたつの孤独の出会い"
"ほんの少しの貝 A Few Shell
・・・所有欲は、美しいものを理解することと両立しない"
"にし貝 Channelled Whelk
・・・どれだけ多くではなくて、どれだけ少ないもので暮らすか。
しかしわたしは、このにし貝を持って帰る。そしてコネティカットの家の机の上に置く。
そうして、質素な暮らしの理想を忘れず、この海辺で発見したことを続けるための励みにしようと思っている。
どれだけ多くのもので、というのではなく、どれだけ少ないものでやっていけるか。
わたしの生活に、またひとつ何か・・・仕事であれ、何であれ・・・を加えたくなった時に、
「それはほんとうに必要なものか?」と自分に問いかけるために。"
"そして女は、自分の本質をふたたび見つけ出すために、ひとりになる必要がある。
いろいろな人間関係の欠くことのできない核になるような固い結び目は、
そうやって見いだした自分というものであるのだから。"
この本を贈ってくれた友人に思いを馳せ、
これまで美しい浜辺で拾い集めてきた貝殻をあらためて愛おしく思い、
ひと巡りして戻ってきたこの場所で、
新たな自分との再会を果たしていこうと決意新た(!?)にいたしました。
by raisinsand
| 2018-05-02 13:46