grasp all, lose all

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土曜日、友人と真鶴で待ち合わせ、
ワイン・ラバーズ・ファクトリー(WLF)さんの2周年記念のイベントに、
出かけました。

これまでWLFさんのワインの会に何度か参加して、
自然派ワインの魅力を、心底楽しませていただいてきたので、
WLFのお店を訪ねるというのは、ひとつの願いのようになっていました。

その日真鶴のお店には、
蛸の枕さんがたべもの担当でいらしてました。
WLF高橋さん選りすぐりの飲み物にぴったりのプレートと共に、
なごやかなテーブルを、イベントに駆けつけた方たちと囲んで過ごしました。

真鶴まで来たので、そのまま東海道線で実家に帰りました。
夜、父が見ていたテレビ番組を途中から観ました。
タクラマカン砂漠の、今にも砂漠にのまれそうなオアシスに、
目の見えないお父さんとその家族や、
羊飼いのおじいさんとその家族が、暮らしていました。

その番組は辺境の地特有の美しい光を映しながら、
母から娘へと受け継いできた刺繍の、色鮮やかな壁掛けや敷物で彩られた家や、
クマッチと呼ばれる、塩分を含む水で小麦粉をこねて灰の中で焼いた素朴なパンを、
つつましい生活の中に織り込むように描いていました。

ヤコプ父さんは、視力を失いながらも2人の娘と1人息子を育てるため、
日雇い仕事の日々です。

ある日の仕事は、樹に寄生させるために地中に埋められた、
漢方に用いられる根っこのような植物を掘り集める、というものでした。
素手で、体ひとつで、淡々と着実に、まっすぐ掘りながら、植物を集めていました。
そのシーンが、心に焼きつきました。

その番組を見た翌朝も、そのまた翌朝も、
目が覚めると同じシーンが蘇ってきました。

シーンの再生を、心の奥底が指令しているかのように。
そのシーンから何度でも感じとろうというように。
貴く透明な光の片鱗を。

(旧 卯月二十四日壬子)
by raisinsand | 2016-05-30 19:05 | Comments(2)
Commented by kf at 2016-05-30 21:14 x
megumi さん。
タイトルの英文諺、覚えながら、自分にとって、どのように参考にして行けるのか、しばらく様子を確かめてみたいと
思います。大学の修士課程で、実験と研究の日々を過ごされていた、あの当時、担当教官の方が、研究面も人としての
判断も含めてか、「放っておけば、どこに飛んで行くのか、判らない」とmegumiさんに言わせた、あの懐かしかった
頃から、どんな実践の経験や心の変遷の道をたどって、現在のmegumiさんに、至っているのか、Breezy Days の記事
の中に、隠されているであろうヒントを、見つけてみたい気がしています。が、megumiさんや御友達のように、細微
な心配りなど、到底出来ませんので、megumiさんの感性について行けるかどうか、正直なところ、自信はありません。
御指導、宜しく御願い致します。
Commented by raisinsand at 2016-05-31 19:08
kfさん、この度のコメントありがとうございます。
大先輩に対し「kfさん」とイニシャルで呼ばせて頂くことに、
恐縮の念が入り混じるふしぎな気持でおりますが、
ここはどうぞ、宜しくお願い申し上げます。

まだ新幹線通学していた頃の、
あらゆる意味でふわふわと漂うしかなかった時代の
目撃者であるkfさんから頂く言葉には、
"貴重な"という意味での重みを感じます。
過去・未来とひとつながりの「今」を、
より視点を引き上げて見直すきっかけを頂いている思いです。

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